前回の“会社をつくる(その4)”から大分時間が経って本来なら“製品のひな型設計”のお話をする予定でしたが、そのことよりも先にお話ししたいことを以下の2つの投稿記事で公開しました。
・アイデンティティ・エントリーシステムの開発
・私の終活
何故上記の投稿を優先したかと言いますと、今回の製品開発は企画する段階で技術的な部分を含めて勝算の余地があるかの検討が不十分でした。自分一人では開発競争を勝ち抜くには不可能なので、協力者やアライアンスを組む企業も合わせて検討して行かなければなりません。背水の陣で取り掛かるにしては、お粗末なレベルだと自覚するに至りました。
でも、あまり深刻に考えたくはないです。あくまで余生を楽しむために会社をつくるということを念頭に、衝動的な行動に走らないように、もう少し踏み込んだ検討をこれからしていきたいと思います。
今回の開発しようとする製品“アイデンティティ・エントリーシステム”は最終的には“人型ロボット”の脳に埋め込まれる個人情報を扱います。車の自動運転の普及過程と類似しているところもあるかと思いますので、レベル分けの部分を参考に比較しながら再検討してみたいと思います。現状では“人型ロボット”分野で自動運転のようなレベル分けが見当たらないのですが、これからAIの急速な進歩により、ロボットが学習能力と適応能力を身に着け、人間の脳に近づいていくだろうと推測されます。
自動運転にはレベル分けとして0~5段階になっています。最終目標はレベル5の“完全運転自動化”です。走行領域は“限定なし”で、運転主体は人ではなく“システム”です。このレベル5に向けて世界レベルで開発競争にしのぎを削っている状況だと思います。下記に国土交通省にて作成された国内構想の資料があります。
最近、無料配信された日経ニュースメールでの情報で恐縮ですが、日本においては以下のような動きが見られます。
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トヨタ自動車とNTTが車向けのソフトウエア開発で手を組む。走行中のデータから人工知能(AI)が事故の可能性を予見し、車両を自動で制御するシステムをつくる。2028年をめどに実用化し、国内外の車メーカーにも販売する。乗用車や商用車に広く搭載されれば、自動運転の普及に大きな弾みがつく。
両社が近く発表する。車と通信の大手同士が安全な自動運転を実現するために連携し、世界標準となる技術の確立を目指す。
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一方、米国においては以下のような動きがあります。
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自動運転テクノロジーの開発で市場をリードするテスラだが、最近になって、この分野でもNVIDIAが頭角を現しており、2社の自動運転開発競争に注目が集まっている。テスラはハードウェアからソフトウェアまで、すべて自社で開発する垂直統合かつビジョンベースのアプローチを採用。一方、NVIDIAはAIプラットフォームとハードウェアを自動車メーカーに提供しつつ、データを収集するなど、対照的なアプローチを取っており、どちらのアプローチがより良い自動運転技術を生み出すのかが業界の大きな関心事になっている。
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上記は自動運転開発競争における日本と米国の情報を比較しましたが、皆さんはこの2つの日経メール情報からどちらが勝者になるのか、直感的にどう判断しますでしょうか。私はアプローチの方法はともかくとして日本は現状では遅れをとっていて大丈夫かなと感じました。生成AIの半導体で具体化する手段を手にしたNVIDIAには敵わないといったところではないのかな?と思いました。NTTもIOWN構想という光を中心とした革新的技術を活用した高速大容量通信を可能としたネットワーク・情報処理基盤の構想があります。自動運転に具体的な手段として開発競争に活かされるのでしょうか?これから期待したいところではありますが。
私が“製品のひな型設計”の前に上記のような比較をお話しした理由は、具体的なターゲットレベル(0~5)を決めて設計することと、最終のターゲットレベルに向かって世界標準となる技術の確立を目指す設計レベルとではアプローチが異なるということです。更に興味深いのは、米国内だけでもNVIDIAとテスラの自動運転技術開発アプローチが対照的である点です。とにかく競争によって技術は進化していくものだと今更ながら再認識した次第です。
さて、“アイデンティティ・エントリーシステム”の開発の話に戻りますが、このシステムは“人型ロボット”の分野と表裏一体となっています。最終のターゲットレベルではアイデンティティ・エントリーシステム(IES)で登録したデータを人型ロボットの脳へ移植するということです。この関係を自動運転と同様にレベル分けしてみました。以下に両者のレベルとロードマップを私なりに(独断と偏見にて)加えて作成した表を以下に記します。
人型ロボットのレベル
★AI による概要(Google検索2024/11/02)
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人型ロボットのレベルは、技術の進歩によって日々向上しており、従来は不可能だと考えられていた作業を高いレベルでこなすものも登場しています。
人型ロボットのレベルの例としては、次のようなものがあります。
砂利道や山道を歩行する
宙返りやダンスをする
倉庫の棚から荷物を取り出して運ぶ
がれきの下をほふく前進する
建物内の階段やはしごを登る
人型ロボットのレベルが向上する要因としては、次のようなものがあります。
AIの急速な進歩により、ロボットの学習能力と適応能力が飛躍的に向上している
トレーニングやシミュレーションを含めてAIの進歩により、ヒューマノイドロボットの開発サイクルが大幅に短縮されている
部品コストの改善により、より安価な部品の利用可能性が高まっている
人型ロボットは、介護ロボットや産業用ロボットとして、すべての人の生活に不可欠なものになる可能性があります。
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現在の人型ロボットの定義の中にはアイデンティティという個人情報を組み入れたものが見つかりませんでしたので、鉄腕アトムのようなロボットの登場にはまだまだ時間が掛かりそうです。
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